Enredo
その年に何を、どの視点と順番で語るかを決めた物語。
ブラジル研究会BAND GUIDE / SAMBA DE ENREDO10 BANDS RIO DE JANEIRO / THE AVENIDA SPEAKS
一夜の物語を、数千人の声で進める。
サンバ・ヂ・エンヘードは、毎年のパレードのために作られるテーマ曲です。 一つの物語を、歌、太鼓、踊り、衣装、山車で表し、数千人が約70〜80分かけて届けます。
01 / ABOUT
Enredoは、その年のパレード全体を貫くテーマと物語。Samba de enredoは、その物語を歌詞と旋律にしたテーマ曲です。
芸術監督のカルナヴァレスコと研究者が物語を作り、それをいくつかの章に分けます。 各章を、隊列、衣装、山車、踊りで見せ、作曲家は同じ物語を数千人が歩きながら歌える曲にします。
良いサンバ・ヂ・エンヘードには、曲としての美しさだけでなく、打楽器隊と合唱を動かし、 70〜80分のパレードを最後まで支える力が必要です。
その年に何を、どの視点と順番で語るかを決めた物語。
物語を歌詞とメロディーに変え、学校全体で歌うテーマ曲。
歌、演奏、踊り、衣装、山車、旗を一度に見せるパレード。
2026年の定義と審査基準:LIESA Manual do Julgador
02 / HISTORY
リオのカーニバルそのものの形成から、サンバが現在の競技パレードをつくり変えるまでをたどります。
BEFORE THE SAMBA SCHOOLS
リオのカーニバルは、最初からサンバ・エスコーラの競技だったわけではありません。 異なる階層と文化を背景にした複数の祭りが、同じ街路で競い、混ざり、作り変えられて現在の形へ近づきました。
植民地期–19世紀
ENTRUDOポルトガルから伝わった、キリスト教の四旬節前の遊びです。水、香水入りの玉、粉などを互いに投げ、 さまざまな階層へ広がりました。暴力性や汚れを理由に何度も禁止されましたが、リオでは20世紀初頭まで残りました。
1840s–80s
BAILES & GRANDES SOCIEDADES1840年代には劇場やクラブの仮面舞踏会、1850年代には上流層のGrandes Sociedadesが登場しました。 欧州風の「文明的な」祭りを掲げ、装飾した車、寓意、政治風刺を街路で見せました。その一部は、後の山車と物語表現へ受け継がれます。
1890s–1910s
RANCHOS, CORDÕES & BLOCOS宗教行列、アフリカ系の祝祭、欧州系の隊列が交わり、ランショ、コルドン、ブロコが発達しました。 Hilário Jovinoらがランショをカーニバルへ定着させ、旗、合唱、楽器、衣装、組織された隊列が街の主役になっていきます。
WHAT WAS REWORKED
つまり、エスコーラは昔の祭りの「完成形」ではありません。複数の形式から山車、旗、物語、隊列を選び直し、アフロ・カリオカのサンバと地域共同体を中心に再構成した新しい表現です。 街頭のブロコや舞踏会も消えず、現在まで別の系譜として続いています。
HISTORY COLUMN / MARCHA & BLOCO
この二つは、同じ種類の言葉ではありません。マルシャはカーニバルを動かした音楽、 ブロコは街へ出る人々の集団です。両者は重なりながら、エスコーラとは別の道も歩みました。
サンバ・エンヘード以前から、カーニバルを歩かせた歌。
1899年、Chiquinha GonzagaがCordão Rosa de Ouroのために書いた《Ó Abre Alas》は、 ブラジル最初のカーニバル歌と広く位置づけられます。ただし当時の分類はまだ固まっておらず、 後世にはmarcha carnavalesca、marchinha、marcha-ranchoなど異なる名で語られました。
軽快な反復と風刺を持つmarchinhaと、ランショをゆるやかに進めるmarcha-ranchoが形を整えます。
街路や舞踏会に加え、レコードとラジオを通じて、カーニバルの歌が全国へ広がります。
サンバ・ヂ・エンヘードは、マルシャの名前を変えただけの音楽ではありません。 エスコーラが行列の仕組みを受け継ぎながら、サンバとして作り直した別の形式です。
音楽ジャンルではなく、街を一緒に進む人の組織。
ブロコは、エスコーラになる前の「未完成な団体」ではありません。19世紀末からcordãoやranchoと並び、 地域、職業、友人関係などを基盤に街を練り歩きました。名称の境界は曖昧で、互いに形を変える団体もありました。
Cordão da Bola Pretaが誕生。古いcordãoの記憶を伝えながら、ブロコとして街頭の祝祭を続けます。
Deixa Falarはブロコとして結成されました。「最初のエスコーラ」と呼ばれますが、最後はranchoとして出場しました。
Cacique de Ramosなどが、競技パレードとは別に街路とサンバの共同体を守り、新しい音も育てました。
あるブロコはエスコーラの母体になり、別のブロコは独自に発展しました。 だから、ブロコからエスコーラへ一直線に「進化した」とは言えません。
MUSICMarcha街や舞踏会を動かす音楽
GROUPBloco街へ出て演奏し、踊る集団
THEME SONGSamba de enredoエスコーラがその年の物語を歌う曲

プラッサ・オンゼ周辺で、アフリカ系の踊りや音楽、バイーアの輪になって踊るサンバ、行進曲などが交わり、リオ独自のサンバへ変わっていきました。

エスタシオ地区の音楽家たちがDeixa Falarを結成し、行進しやすい新しいリズムを広めました。「最初のエスコーラ」と呼ばれますが、当時の分類では街頭集団として活動していました。

1932年に最初のエスコーラ対抗パレードが開かれ、翌年には物語も審査対象になりました。1946年には即興の歌詞が禁止され、現在のように曲全体を準備する形へ近づきました。

Império Serranoの『Exaltação a Tiradentes』が大きな転換点となり、1955年にはサンバ・ヂ・エンヘードとして初めてレコード化されました。歴史を長い歌詞で説明する曲が発達し、1968年には初の専用LPが登場します。

Salgueiroを中心に、美術家、研究者、振付家が制作へ深く関わるようになりました。黒人史を主役にした物語と大胆な山車が、それまでの英雄中心の歴史の見せ方を変えました。

カーニバル専用会場のサンボードロモが完成しました。同じ年に運営団体LIESAも設立され、現在の最高峰リーグを運営する仕組みが整いました。

サンバ・ヂ・エンヘードは、リオのほかのサンバ形式とともにブラジルの無形文化遺産へ登録されました。2026年は12校が3夜に分かれて競い、曲作りや審査方法も変化を続けています。
03 / POWER & ENREDO
エンヘードには、その時代のブラジル社会が映ります。 国をたたえる作品もあれば、社会の問題を訴える作品、これまで知られてこなかった歴史を伝える作品もあります。
エンヘードは、パレードの題材を決めるだけのものではありません。誰の歴史を取り上げ、何を伝えるかも決めます。
国や政治家をたたえる作品もあれば、検閲を避けながら社会を批判した作品、 黒人や先住民の歴史を主役にした作品もあります。地域の宣伝が目的になったり、スポンサーや公的資金が テーマ選びに影響したりすることもあります。そのため、エンヘードを「民衆が権力に抵抗する歌」とだけ考えるのは不十分です。
04 / 9 QUESITOS
2026年は9部門を、それぞれ10点満点で採点します。各カードを開くと、「何を見る部門か」と詳しい配点が分かります。

2026年の配点
テンポの安定 4|各楽器のまとまり 3|変化と工夫 3
リオ最高峰リーグでは、2026年は演奏者が最低200人必要です。審査では人数や音量よりも、テンポが安定しているか、楽器どうしがかみ合っているか、途中のリズム変化を正確に演奏できるかを見ます。

2026年の配点
物語との結びつき 4|歌詞とメロディー 4|行進中の歌いやすさ 2
その年のテーマが歌詞にどう表れているか、メロディーが数千人の合唱と行進を支えられるかを見ます。物語を最初から最後まで、順番どおりに歌う必要はありません。

2026年の配点
全体の歌 4|伴奏 3|メイン歌手とコーラス 3
隊列の参加者が歌い続け、メイン歌手、コーラス、カヴァキーニョなどの伴奏、バテリアが一つの音楽になっているかを見ます。

2026年の配点
隊列の流れ 5|自然な動き 3|参加者の動き 2
グループと山車の間隔が保たれ、渋滞や大きな空白をつくらず、全体が自然に進めているかを見ます。参加者の元気さや動きも採点対象です。

2026年の配点
構想 3|実現 5|創造性 2
テーマが筋の通った物語になり、各グループ、衣装、山車に分かりやすく表れているかを見ます。事前に提出する公式の構成資料とも照らし合わせます。

2026年の配点
構想 5|実現 5
山車、小型の舞台装置、装飾物が物語に合っているか、色や素材、細部まできれいに仕上がっているかを見ます。裏側の処理や破損も採点に関わります。

2026年の配点
構想 5|実現 5
グループごとの衣装が物語の何を表すか、色や素材が合っているか、同じグループの衣装がそろっているかを見ます。着たまま動ける仕上がりも大切です。

2026年の配点
衣装・舞台装置 2|構想 2|演技 4|創造性 2
パレードの先頭でエスコーラを紹介し、物語の入口をつくる10〜15人の演出集団です。衣装、舞台装置、動きのそろい方、観客への挨拶、驚きのある演出を見ます。

2026年の配点
衣装 3|踊り 3|二人の調和 4
ポルタ・バンデイラが学校の大切な旗を広げ、メストリ・サラが敬意を示しながら彼女を守るように踊ります。衣装、回転、視線、二人の息の合い方を見ます。
05 / INSTRUMENTS
バテリアは打楽器隊。カヴァキーニョとヴィオラォンは、歌と和音を支える伴奏楽器です。
数百人の打楽器と、歌を支える弦楽器。弦も打楽器も皆でグルーヴを生み出す。
バテリアでは、楽器ごとに低音、細かなリズム、合図などを分担します。演奏パターンや楽器の組み合わせは学校ごとに違い、それが音の個性になります。
ここに載せた楽器は代表例です。実際のパレードでは、ここで紹介していない打楽器や伴奏楽器もよく使われます。使う楽器と人数は、エスコーラ、年、曲のアレンジによって変わります。
PERCUSSION / 打楽器
低音の土台、細かな刻み、合図、声のような音を、別々の楽器が受け持ちます。

LOW / 基礎
もっとも低い音を出す大型太鼓。二つの基本パートが交互に鳴って2拍子の土台をつくり、別のパートが合いの手を入れます。

MID / 流れ
二本のスティックでたたくスネア系の太鼓。細かなリズムを連続して刻み、スルドの低音の間を埋めます。演奏パターンには各校の個性が出ます。

HIGH / 合図
高い音の両面太鼓。片手にスティックを持ち、もう片方の手でもたたきます。演奏の開始やリズム変更の合図を出し、ソロでも全体を引っ張ります。

HIGH / 輪郭
手のひらほどの小さな太鼓。数本を束ねた細いスティックで、歌のメロディーに合わせた速いリズムを刻みます。小さい楽器ですが、鋭くよく通る音です。

HIGH / 輝き
たくさんの金属板を付けた枠を、両手で振って鳴らします。細かな金属音がリズムの隙間を埋め、バテリア全体に勢いを加えます。

HIGH / 対旋律
音の高さが違う複数の金属ベル。たたく場所を変えながら、跳ねるようなリズムや短いメロディーを演奏します。二口型や四口型があります。

PITCH / 声
太鼓の内側にある棒を、湿らせた布でこすって鳴らします。外側の皮を押すと音の高さが変わり、人の声や動物の鳴き声のような音になります。

SIGNAL / 指揮
打楽器隊の指揮者が合図に使う笛。演奏の開始と停止、リズムが大きく変わる場所を、数百人へ一度に伝えます。
HARMONY / 弦楽器
この2つはバテリアではありません。ただし、特にカヴァキーニョは打楽器的なアタックとコードを同時に刻み、歌手と打楽器隊のグルーヴをつなぎます。

RHYTHM + HARMONY / 刻みと和音
カヴァキーニョは打楽器ではなく、小型の4弦楽器です。ただし、右手の短く鋭いストロークは打楽器のようなアタックを刻み、同時にコードを鳴らします。打楽器的な刻みと和声を一つのストロークで担い、歌とバテリアの間にグルーヴを生む楽器です。

HARMONY / 土台
ブラジルで広く使われる6弦ギター。低音と和音で歌の土台をつくり、カヴァキーニョの細かな刻みを下から支えます。
06 / ESCOLAS
エスコーラとは、地域を拠点に一年かけてパレードを作るサンバ団体です。ここでは、2026年にリオ最高峰のGrupo Especialへ出場した12校をすべて紹介します。
GRANDE RIO / 12 QUADRAS + SAPUCAÍ
数字の印は各校の練習場・本拠地、Sは本番会場のサンボードロモです。 リオ市内だけでなく、近郊のニロポリス、ドゥケ・ヂ・カシアス、ニテロイにも有力校があります。
MangueiraMangueira
PortelaOswaldo Cruz / Madureira
Beija-FlorNilópolis / Baixada Fluminense
SalgueiroMorro do Salgueiro / Andaraí
ImperatrizRamos / Zona da Leopoldina
ViradouroBarreto / Niterói
Grande RioDuque de Caxias
Vila IsabelVila Isabel / Morro dos Macacos
Unidos da TijucaSanto Cristo / Tijuca
Paraíso do TuiutiSão Cristóvão / Morro do Tuiuti
MocidadePadre Miguel / Zona Oeste
Acadêmicos de NiteróiCentro / Niterói所在地はLIESA公式プロフィールを基準に表示。地図 © OpenStreetMap contributors。
2026|6位

Estação Primeira de Mangueira
緑とピンクの伝統校。CartolaやCarlos Cachaçaなど、サンバ史を代表する作曲家を多く育てました。優勝は20回です。
LIESA公式プロフィール2026|10位

G.R.E.S. Portela
鷲をシンボルにする名門で、「サンバの女王」と呼ばれます。古くからのメンバーと作曲家の伝統が厚く、最高峰リーグで最多22回の優勝を持ちます。
LIESA公式プロフィール2026|2位

Beija-Flor de Nilópolis
「パレード通りの女神」と呼ばれる強豪です。壮大な物語、豪華な見せ方、地元の力強い歌声で知られ、2025年に15回目の優勝を果たしました。
LIESA公式プロフィール2026|4位

Acadêmicos do Salgueiro
「サンバの名門」として知られる、リオを代表するエスコーラです。1960年代には黒人史とアフロ・ブラジル文化を正面から描き、山車と物語による表現を大きく変えました。
LIESA公式プロフィール2026|5位

Imperatriz Leopoldinense
「ハモス地区の女王」と呼ばれます。緻密な構成と山車の完成度で知られ、2023年にはブラジル北東部の伝説的義賊ランピオンを描き、22年ぶりに優勝しました。
LIESA公式プロフィール2026|優勝

Unidos do Viradouro
近年、演奏と演出の両面で強さを見せる学校です。2026年は、打楽器指揮者Mestre Ciçaの55年を描いた作品で4回目の優勝を果たしました。
LIESA公式プロフィール2026|8位

Acadêmicos do Grande Rio
リオ郊外の地域共同体と、現代的な舞台演出を結びつける学校です。2022年には、アフロ・ブラジル宗教の存在エシュへの偏見を問い直す作品で初優勝しました。
LIESA公式プロフィール2026|3位

Unidos de Vila Isabel
作曲家Noel Rosaや歌手Martinho da Vilaとゆかりの深い地域の学校です。歌詞とメロディーの強さを前面に出す、音楽性の高さで知られます。
LIESA公式プロフィール2026|7位

G.R.E.S. Unidos da Tijuca
青と黄色の伝統校です。近年は、大がかりな仕掛けや場面転換を使い、観客の目の前で驚きを生む演出でも知られます。2026年は作家Carolina Maria de Jesusを描きました。
LIESA公式プロフィール2026|9位

G.R.E.S. Paraíso do Tuiuti
青と黄色のエスコーラです。2018年には、奴隷制廃止後も続く搾取を問うパレードで準優勝し、大きな注目を集めました。2026年はキューバに伝わるIfá Lucumíを扱いました。
LIESA公式プロフィール2026|11位

Mocidade Independente de Padre Miguel
緑と白、星の印で知られるPadre Miguelのエスコーラです。Mestre Andréらが築いた独自のバテリアの伝統を持ち、2026年は歌手Rita Leeの自由な表現を題材にしました。
LIESA公式プロフィール2026|12位

G.R.E.S. Acadêmicos de Niterói
2018年創設の若いエスコーラです。2025年にSérie Ouroで優勝し、2026年に初めてGrupo Especialへ出場しました。12位となり、2027年はSérie Ouroへ戻ります。
LIESA公式プロフィール参加校と順位はLIESAの2026年公式採点表、エンブレム・設立年・所在地はLIESA公式プロフィールに基づきます。12位のAcadêmicos de Niteróiは2027年にSérie Ouroへ移り、代わってUnidos de MaricáがGrupo Especialへ昇格します。
07 / PEOPLE
曲を歌う人、物語と美術を作る人、全体を運営する人、打楽器を指揮する人。それぞれに別の役割があります。
Carnavalesco物語、山車、衣装をまとめる芸術監督
Intérprete数千人の合唱を先導するメイン歌手
Intérprete

Mangueiraを長年率いた、低く力強い声の歌手です。数千人の合唱を先導するメイン歌手の手本となりました。

1976年からBeija-Florのメイン歌手を務めた学校の象徴です。2025年の優勝後に、その役目を退きました。

観客へ声をかけ、会場全体を歌わせる力で知られます。Salgueiroの『Peguei um Ita no Norte』を大合唱へ押し上げました。
伸びのある高音と、感情を大きく伝える歌い方で知られます。2026年はViradouroを優勝へ導きました。
Vila Isabelを代表する現役のメイン歌手です。言葉が聞き取りやすく、隊列を前へ進める力強い歌で知られます。
Carnavalesco
Salgueiroで黒人史を物語の中心に置きました。美術家や研究者が協力してパレードを作る現在の形の基礎を築いた人物です。

巨大で豪華な山車を使い、Beija-Florなどの見せ方を大きく変えました。カーニバルの豪華さを語る有名な言葉も残しています。

歴史を丁寧に調べ、色彩や衣装の細部まで物語に結びつけました。Imperatrizを中心に多くの名作を残した芸術監督です。

大人数の身体を、動く絵や機械の一部のように見せる演出で知られます。2000年代以降のパレードに新しい驚きを持ち込みました。

これまで表舞台で語られにくかった人々の歴史を取り上げます。社会への問いかけと、祭りとしての楽しさを両立する現代の代表的な芸術監督です。
Direção

Beija-Florで制作全体と歌のまとまりを長く率いました。山車、衣装、演奏、隊列の担当者をつなぐ運営の中心人物です。

55年以上にわたり、複数の学校で打楽器隊を指揮してきました。2026年には、その歩み自体がViradouroの物語になりました。
08 / 7 SAMBAS
1960年代から2026年まで、物語、社会批評、集団で歌う力がどう変化したかをたどる7曲です。音源の歌詞は転載せず、背景と聴きどころを紹介します。
Silas de Oliveira|本番歌唱 Carmem Silvana
アマゾンから北東部、ブラジリア、サンパウロ、リオへ、歌でブラジル各地を旅します。長い歌詞で物語を詳しく説明する当時の形式を代表する名曲で、優勝曲ではありませんが今も歌い継がれています。
Didi / Mestrinho|Aroldo Melodia / Miguel Júnior
パレードへ向かう一人の参加者の期待、不安、祈り、喜びを本人の目線で歌います。歴史上の英雄ではなく、パレード通りを歩く『今日の自分』が主人公なので、誰もが自分の歌として歌えます。
Rodolpho / Jonas / Luiz Carlos da Vila|Gera
逃亡奴隷の共同体パルマーレスと指導者ズンビ、黒人文化に根ざす踊りや音楽をつなぎ、抵抗と誇りを祝います。豪華さだけに頼らず、地域の一体感でVila Isabelを初優勝へ導きました。
Niltinho Tristeza / Preto Jóia / Vicentinho / Jurandir|Dominguinhos do Estácio
ブラジル共和国成立100年を題材に、自由と平等への願いを歌います。歴史を伝える歌詞と、会場全体で歌いやすい力強いメロディーを両立した優勝曲です。
Demá Chagas / Arizão / Bala / Guaracy / Celso Trindade|Quinho
北部の都市ベレンを出た船が、北東部の港と文化をたどってリオへ向かいます。移住する人の別れと希望を描き、覚えやすい繰り返し部分が会場を大合唱にしました。
Betinho / Glyvaldo / Zé Maria / Osmar|Neguinho da Beija-Flor
Joãosinho Trintaが、ごみとぜいたく、貧困と王という逆転から、路上生活者や社会から排除された人々を祝祭の主役にした作品です。明るく前へ進むサンバと社会批評が同時に鳴り、黒い布で覆われた『物乞いのキリスト』は、禁止そのものを表現へ変えました。
Claudio Mattos / Renan Gêmeo / Rodrigo Gêmeo / Lucas Neves / Rodrigo Rolla / Ronaldo Maiatto / Bertolo / Silvio Mesquita / Marcelo Adnet / Thiago Meiners / Alessandro de Malta|Wander Pires
2026年のGrupo Especial優勝校Viradouroのサンバ・ヂ・エンヘードです。Mestre Ciçaがサンバとバテリアに捧げてきた55年をたどり、本人が指揮する太鼓の響きを主役にしました。学校は270点満点で優勝しました。
09 / SOURCES & POLICY
本ページは2026年7月25日時点の資料に基づきます。現役校の人事、所属グループ、規則は毎年変わるため、LIESAの最新版を優先し、歴史と政治はIPHAN、国立図書館、TCU、査読研究などを照合しています。写真は各キャプションに作者・ライセンス・原典を表示し、必要に応じてトリミングしています。